スコティッシュフォールドの健康と病気

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スコティッシュフォールドの種類についての特徴はこちらにも載せています。

20年前くらい前から日本でも知られるようになってずっと大人気のまんまるい目と可愛く折れた耳が特徴、ドラえもん猫と言われたりするスコティッシュフォールド。
ネットの画像や動画で見かけた事もある人が多いのではないでしょうか。

家族として迎える上では個人的にどの猫も差はないとは思いますが普通の猫とは違うスコティッシュフォールドによくある病気などの可能性もあるので頭に入れておいてください。
ただの可愛い、だけでは後で辛い思いをするのは他でもない猫と飼い主です。
これは私がスコティッシュフォールドを飼う前に知りたかったことや最新(2021年現在)の情報をまとめたものになります。

とにかく可愛い!折れ耳と立ち耳、まんまるボディ。だけど…

折れ耳のスコティッシュフォールド子猫

生後数か月のフェイフェイ

キョトンとした丸い目にぺたんと折れた耳で顔も真ん丸。体も丸くて可愛い特徴がいっぱいのスコティッシュフォールドは登場してからずっと人気。猫種の名前にある「フォールド」は折りたたんだという意味でまさに折れ耳の猫を象徴しています、でもこの最大の特徴でもある折れた耳は突然変異での誕生でした。その折れ耳の魅力を広めようと交配を重ね品種登録されたスコティッシュフォールドですが、突然変異の折れ耳はいわば奇形。

一度に生まれる子猫のなかでも折れた耳になる子は20%ほど。後にはまんまるフェイスで小さくぴょこっと立っている立ち耳スコも現在は折れ耳と同じくらい人気になりますが当初は折れているのが珍しかったのもあり一部のブリーダーやペットショップはこぞって折れ耳を繁殖販売しようとしました。

昔は短命な猫種と思われていました。
近年は長生きするスコも増えてきましたが、いまでも幼いうちに亡くなってしまうスコもいます。

生まれは突然変異でも無謀な掛け合わせで悲劇が

どんな生物でも同じ種類のなかで細かな違いや突然変異はあります。人間もそうですね。最近は遺伝子研究で組み合わせでのリスクを少し調べる事もできるようになってきました。昔はそういうのもなく、特に動物に対しては意識も薄かったと思います。
私がスコティッシュフォールドを飼い始めた頃も、もちろん品種の由来などは調べたのですが恥ずかしながら感覚としては奇形というより突然変異で生まれた奇跡の可愛さ、程度しかなかったです。初めて自分でペットを迎える楽しさが勝っていて今の動物を飼う人達と比べると意識は低く知識も浅く…猫が健康に育ってくれてラッキーでした。

私が飼い始めた2000年前後でも、あまりいなくて珍しいのはそれだけ広まっていないのもあるけど交配が難しいから、というのはなんとなく頭にあった程度で「スコティッシュフォールドは折れ耳同士を掛け合わせてはいけない」くらいの知識しかなかったです。
それでも法律でそうしてはいけないとか決まっていたわけでもなく、とにかくビジネスを優先したお店や一部の心無い人はそういった交配もしていたのではないかと思います。

現在は減っている事を願いたいですが、私がスコティッシュフォールドを飼い始めてホームページを作ったころ、同時期や少し後から飼い始めてホームページを作った人(まだブログやアプリはありませんでした)たちとネット上でお友達になりホームページでリンクをして交流を楽しんでいました。が、そこでこの悲劇を知る様になりました。知り合った同い年くらいのスコを飼っている方のホームページが相次いで閉鎖、感覚では10サイト見つけたら半分は1年以内に消えてしまいました。

理由は「猫が突然死してしまったから」というのが多かったです。驚いて年に一度の予防接種で獣医を訪れた時に聞いたら、スコティッシュフォールドはとても短命で、特に折れ耳は3歳までに突然死してしまう事が多いと聞かされました。それで心配になって3歳…まだ安心できない、5歳…まだわからない、8歳…何歳までが短命なのだろう、とどこか不安を抱えてはいました。我が家は結果的には長生きしてくれましたが、他のスコ飼いさんで想像以上に早いお別れを迎えた方達も居たのは今思い出しても胸が痛みます。

スコティッシュフォールドに多い『骨瘤(こつりゅう)』

突然死の他にもスコティッシュフォールドで今はよく知られているのが、その耳も骨の異常からだと言われていますが骨がこぶ状に大きくなってしまう骨瘤です。この骨瘤はやっかいで、ただ大きくなるだけではなくて時には痛みも伴って、酷いと歩く事が困難になり生命にも影響を与えます。

骨軟骨異形成症候群というのが正式名称のようで、遺伝性の病気です。
スコティッシュフォールド以外にもヒマラヤンやペルシャ、マンチカンなど比較的手足が短かったり体が小さめの種類の猫種が持っているようです。
遺伝子を持っていても必ず発症するわけではありません。スコだと立ち耳のスコには起きないそうで、発症するのは折れ耳の子だけだそうです。

スコティッシュフォールド骨瘤の写真

枠で囲った矢印の所が骨瘤で曲がっている部分

フェイフェイも過去の日記を読み返してみると骨瘤の手について載せていました。骨瘤は最初の成長期から少しずつ膨れ始める病気で生まれた時は分かりません。1歳くらいから少しずつ膨れていて最初は触ると痛いのか嫌がったり少しひょこひょこかばうように歩く事がありました。
治療法などもないので様子を見ていましたがひどく進行すると曲がりすぎて歩くこと自体が困難になる場合もあるようです。フェイフェイは少し曲がった所で膨らむのは止まり、その後は普通に歩いたり走ったりしていて触ってもなんともなくなりました。

時には人の腰くらいの高さのダイニングテーブルや台所の台にも飛び上がる事も。普通に人のベッドに飛び乗ったり下りたりするのは問題ないみたいでした、ただ他の猫のようには曲がらなくて前足の手首?部分が固定されているような感じです。
何年も少し出っ張ってる程度の状態が続きましたが14歳くらいだったか高齢になってくるとまた曲がっていました。しっかりと分かるくらい出て、触ると人のくるぶしのようにとがっていました。ただその時は痛がってはいなかったように思いますが歩きにくそうにしていました。
階段も上り下りで止まる事もなく進みましたがゴテン、ゴツン、と当たるような音がして人間の方が心配しましたが元気そのものでした。進行のタイミングや傾向は人の側弯症に似ているかもしれないです。

スコティッシュフォールド骨瘤、足の見た目

15歳のフェイフェイの前足、骨瘤の膨らみ具合

治療法はないとしましたが、フェイフェイの場合は難しい、とされたのが正しいです。現在では出っ張った部分を切除する手術や、放射線治療、サプリなど進行を遅らせる薬もあるみたいです。どれも安価で気軽にはできないし、受け付けていない動物病院もあるかと思います。
フェイフェイはスコの中でも体が小さく「この子は多分体は大きくならないから子猫を生んだりするのは難しい」と獣医さんに言われていて、実際ずっと3キロ前後、写真だとむっちり大きく見える事もおおいですが他の成猫よりは体も小さかったです。

スコティッシュフォールドを飼うなら治療費も考慮して

知識も浅く勢いで飼い始め、幸いスコティッシュフォールドとしての病気での問題はそれほどなく過ごせた私が言うのもなんですが、スコティッシュフォールドに限らずどの動物もどんなに健康でも治療費はかかります。遺伝子によって特定の病気が出やすい子は特に、例えばスコティッシュフォールドならもしも骨瘤が出た場合を想定してどうするか決めておくといいと思います。
治療はどうするのか、獣医はどこにかかるか、カバーしてくれるペット保険はあるかなど。そういうのも考えてずっとのお付き合いと覚悟したうえで迎えた方が動物も人も安心して生活できると思います。

フェイフェイは骨瘤で歩けなくなる事は幸いありませんでしたが、よくおでこの付近や体をかいて出血してしまったりしていました。あと少し下痢が続いた事もあります。それで何度か検査してもらった事があります。原因はアレルギーでした。それでアレルギー反応がでにくいとされるご飯に変えてみたりしたこともあります。
ただこのアレルギーテスト、人間もそうですが100%確実でもなければ後から出たり治っていたりする事もあるんですよね。フェイフェイは一度お米アレルギーと診断されたのですが次に検査した時にはお米はひっかからなかったです。
治ったのか、体調によるのか、わからなかったです。後はストレスで体を舐めすぎて内腿の所がはげてしまったことも。

スコティッシュフォールドは動きもおっとりで性格ものんびりした子が多いですが、他の猫との相性や生活環境でのストレスは普通にあります。フェイフェイは同居猫のまあじゅとあまり気が合わず、警戒心も高くて小さい頃は来客があるとずっとベッドの下に一日隠れて出てこない繊細な面もありました。
それについては大人になるにつれて慣れて、何度も来る人には前を素通りしてみたり開いた本の上で仰向けに寝転がったりする事もありましたが、外で工事がある時のうるさい音や香水を付けている人は苦手でした。全てのストレスを取り除く事は人も動物も無理ですが、その子が安心できる避難場所を作っておいたりとその猫の個性に合わせて過ごしやすい環境を作っていけたら理想的です。

折れ耳だけで決めないで

確かに折れ耳はかわいいですが、実はこの折れ耳、たとえ生まれた時にぺたりと折れていても実は大きくなってから立ち耳に変わる事もあります。折れたりちょっと浮いたりと変化する子もいます。フェイフェイも完全にぺたりと寝ているわけではなくて少し浮いた形をしていますが、湿気が多い梅雨の時期とかはもう少し浮き上がっている事がありました。完全に立ち耳になる事はなかったですが、折れているのが可愛い、だけで決めると後で違ってきた時にショックを受けるかもしれません。あとから耳が垂れる子も少しいるようです。

香箱座りするスコティッシュフォールド

香箱座りをする丸いのに四角いフェイフェイ

また、スコは立ち耳も折れ耳も、他の猫と比べると耳の面積がとても小さいです。耳掃除が好きな猫ならいいですが、そうでない場合は結構大変です。折れている子は特に中に汚れが溜まりやすいのでこまめにチェックしてあげる必要があります。
あと耳掃除の時は傷つけないよう少し耳を持ち上げて綿棒などで掃除する事になるのですが、中が小さい!そして持ち上げるための耳も小さい!ので耳を優しく持って持ち上げるのが大変です。
慣れたら大体どのあたりを掃除すればいいのか分かってくるから持ち上げる必要はなくなるかもしれませんが、少しケアが必要です。

ぺたりと折れている子は顔もどちらかというと平らで鼻ぺちゃな子が多いです。フェイフェイもそうでしたが、平たい分ちょっと呼吸がしにくい可能性があります。息を吐く時に鼻水を飛ばしたり、目やにと涙が出やすかったりするみたいです。
フェイフェイもよく「ぷふ、ぷふ」と鼻息荒めに鼻水を顔に飛ばしてくれました。もちろん布団や猫ベッドにもかかるので、交換や掃除が少し多くなるかもしれません。
洗い替えの毛布と涙を拭いたり鼻水で濡れたテーブルを拭くのにティッシュや布巾の消費もそれなりにありました。全てのスコがそうとは言いませんが、そういう子もいると頭に入れて置いたうえで考えてみてください。そういう体質の子でも大丈夫な暮らしか、汚れても洗ったりできる家具かなども考慮して配置をしておくといいと思います。

体もフェイフェイはなぜか小さかったですが、フェイフェイの父猫は何かのキャットショーでチャンピオンだったそうでおそらく普通のサイズです。成体の猫の大きさはスコティッシュフォールドは普通か小型になるのかもしれませんが、最初から絶対小さい子、大きい子、と決めていると後で違ったサイズになるかもしれません。
無知だった私は「フェイちゃんの赤ちゃんも見たいな」と考えていました。体が小さいから危険だと言われてからは諦めて、時期を見てすぐ避妊手術をしました。無意識に「自分の飼った猫は子供も産める”普通の体”だ」と思っていたんですね。
もちろんどうしても欲しかったわけでもないし、子猫を生ませることを深く考えて調べていたわけでもなかったのでこだわりはなかったですし、体が小さいというだけでそれが普通じゃないと思ったわけでもないです。ただ元からの思い込みを強くしてしまうとイレギュラーが起きた時にショックを受けたりしてしまうので、猫との夢の生活だけを考えているとあとあと苦労するかもしれないです
かく言う私も猫の性格や個性まで考えていなくて、最初の数年は繊細なフェイちゃんとの付き合い方が分からなくて、なぜか飼ったら自動的に最初からラブラブ出来ると思い込んでいたので落ち込んだ時期もありました。今思うとちゃんと最初からそう言った事も考慮して飼っていたら、自分もきちんと向き合ってフェイフェイにも辛い思いをさせずお互いにもっと楽しく過ごせたんじゃないかなと思います。

フェイフェイとはペットショップ(正確には鳥獣店)のケージ越しに小さな体を兄弟と寄せ合って縮こまっていたのを少し見ただけで、どんな子かも分からないまま次に会ったのは迎えに行った時でした。フェイフェイが来てくれたことに全く後悔はないですが、新しく家族を迎える時はお互いにストレスをなるべく少なく過ごす事を考えたら迎えるのを決める前に出来れば何度かブリーダーさんの元を訪れて遊んでいる様子、どんな性格か、他の猫たちとの接し方、撫でたりできるかなどの相性、また風邪を引いたり体に違和感はないかなど確認しておくのがおすすめです。

長く一緒に過ごす家族の一員だから

自分で選んで、あるいは猫ちゃんに選ばれて、一緒に生活が始まると数年。最近は治療の技術も向上して薬等の選択肢も増えて来てペットの寿命も延びてきているので犬や猫なら15年から20年は一緒に過ごせるようになりました。
できればないに越した事はない悲しい別れも、そればかりを気に病んでは楽しく過ごせる時間も自分で潰してしまう事になるので良くないですが頭に入れておいて出来る限り回避できたらいいですよね。長いようでいて一緒に過ごせる時間てあっという間で全然足りないです。
猫がいる日常だって当たり前に過ごしていても、いつ何が誰に起きるかなんてわからないです。だからこそ少しでも長く、楽しく一緒に過ごせるように気持ちも準備しておけたら後で慌てたり悩んだりする時間を猫と楽しく過ごす時間に使えます。
多かれ少なかれ病気やケガなどで悩んだり落ち込んだりする事は絶対あって防げませんが、その可能性を考慮しておけばぐっと軽く短くして、じゃあどうすればいいか?どう過ごしていくか?と前を向いた考えに移動しやすいと思います。
これからの出会いと、今ある縁を大切に。楽しい事ばかりじゃなくても先に知っておいてそのための準備を済ませておけばあとは楽しい生活に向けて進むのみです。

この記事を書いた人
織夜

oriya、織夜、おりや。初期はフェイフェイ。
パソコンでブログを書いたり色々するのが好き。
フェイフェイとまあじゅが居るという最高の20年を過ごす。

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